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iPhoneで古典調律

2011/01/09

iphone4.jpg 数年使っていた携帯電話を買い換えました
仕事で証拠写真などを撮ることが増えたので、写真処理機能もあるということからスマートフォン各種を検討。結局iPhone4に決定

基本的にMacは嫌いなのでアンドロイドも調べたのだけれど、お客様からの電話を受けたり、ご注文やお支払いの情報もまず携帯に入ってくるので安定していることは必須。普段音楽を聴くのにiPodを使っているのでアプリに互換性があることも大きな要素でした

iPhone は半分パソコンみたいなものだから、調律に使えるプログラムがきっとあるはずと思って調べたら、ありました!古典調律が入ったクロマチックチューナーの「Cleartune」というソフト(プログラム)
ネット上でダウンロードする価格は450円でした。iPhone用のアプリの中では安いほうではないけど、これで使えるなら新規にチューナー買うよりも(音叉買うよりも(^_^;))安い!
さっそく入れてみましたが十分使えそうなのでご紹介します

基準ピッチの変更(440→415) はもちろん、調律法も各種入っていましたので古楽をなさる方には特に使いでがあるソフトではないでしょうか(自分でカスタム調律も入れられるようです) まだ実際に試してはいませんが、精度(±1セント)も感度もなかなか良さそうです
欠点は、使い方のマニュアルがどこにもないことでしょうか。1~2のポイントがわかれば難しいことはないので、下記ご参照ください
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*約1ヶ月使用した感想:感度はK社の電子チューナーより良いように感じます。音域も、チェンバロの一番下や上のオクターブも結構ひろってくれました。また電子チューナーだと針の揺れがとまらずにわかりにくいことがありますが、これは画面上の針やダイアルの動きもスムーズで比較的しっかり止まって表示されます
*余談:外を歩いていてもウェブラジオも聞けるので、ブルートゥースの骨伝導ヘッドセットと組み合わせて便利に使っています(カタカナが多い(^_^;)

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【iPhoneのアプリ「Cleartune」の使い方】

メイン画面.PNGのサムネール画像

基本的な使い方はメインの1画面だけでよく、最初に自分の使用環境を「オプション」画面で細かい設定をしておきます。普段はとてもシンプルな使い勝手

【メインの画面】はご覧のようになっています
1.ホイールパッド(画面下半分の大きなホイール)で音を選ぶ
2.音が合っているか、高いか低いかは、画面上部の物差しのようなところに現れる線が動くので判断する(音を出すとiPhoneのマイクで音をひろう)
3.チューナーから基準音を鳴らしたい場合はホイールパッドのすぐ上右側の棒が4本ならんだマーク(「調子笛」?)をタップして(緑色になる)真ん中の小さなつまみマークをタップすると表示されている音が出ます。この場合オクターヴの高さも0~9で選ぶようになります

オプション画面メイン.png 4.楽器の音が、基準音にあっているかどうかは、左側の音叉マークをタップして(緑色になる)おいてから楽器の音を出すと、iPhoneがマイクで音をひろって、基準音に対しての上下を上段の物差しのような画面の線で表示します

【オプション画面】
画面右下のiマークをタップすると「オプション」画面に入ります ここでは下記のいろいろな設定ができます

1.A4の周波数(440か、443か、415か、など0.1Hz刻みで、かなり広く設定できそうです

2.記譜法:英語で♭、♯などやソルフェージュでフランス語式、固定ドか、移動ドか、北ヨーロッパ式(Desとか)か、などが選べます

記譜法の種類.PNG
3.移調(普通はCで良いでしょうが、移調楽器をお使いの場合はE♭などに変更)

4.調律法:これが古楽関係者にはツボですね
下記のような仕分けになっています。区分の仕方が?とか、よくわからないところもありますが、私のような素人ではなく調律に詳しい方にまた聞いてみたいところです
- 平均律
- 弦楽器
  ∟ヴァイオリン属、ギターストレッチチューニング
- ピタゴラス/純正
  ∟ピタゴラス、ピタゴラス 純正、純正律


平均律-Kellner.png
- 平均律
  ∟1/3SC-単調3rd、1/6SC-アッテネータ、2/7SC
  ∟ - 拡張あるいはザルリーノ、スタンダード アロン 1/4コンマ
- Well
  ∟Aron-Neidhardt、Barnes' Bach、Kellner's Bach
  ∟Kirnberger III、Shifted Vallotti/Young
  ∟Vallotti、Werckmeister I/III、「ほぼ平均」(って何?w)
- French
  ∟Early French、Homogeneous French - 1/5 SC、Rameau
  ∟Rousseau II、Rousseau III、Rousseau IV
*この画面で左上の+マークを押すと、「調律の追加」画面が出て、自分で独自の調律法を作って追加することができます

古典調律最後.png 5.調律Root: これは調律法の基音をどこにとるか(CなのかAなのか、など)の選択ですね

6.減衰: ○、I、IIとあります。実際の音を検知する際の減衰音をどこまでとるか、ということでしょうか

7.Frequency Display: オンにすると、メイン画面で実際の音を検知する際に、その音の周波数を画面上で0.1Hz単位で表示してくれます

【補足/裏技】
こんな機能はないかと想ってネットで探しても見つからなかった裏技ご報告します( アプリの製作者にも問い合わせのメールを送ったのですが回答はありませんでした)
クリアチューンはとても優秀なソフトだと思いますが、音域の極端に上と下の方ではなかなかきちんと音を拾ってくれません。倍音を拾うせいか、たとえばAで合わせようとしてもEやDなどとの間で迷ってしまうようで、針が大きく振れて安定しないことがあります
そういうときに、あわせたい音をAならA,CならCに固定してしまう技。Cleartuneのトップ画面で、中央の一番下、CLEARTUNEというロゴがあるすぐ上の半円形のメーター画面の中央部に小さな白いボッチがあります。そこをタップすると色が赤くかわります。この状態で、下の円形のメーターが固定されてダイヤルゲージとして機能するようになるので、ここを触って回転させてやります。あわせたい音名を中央にもってくると、その音を固定してそれにあわせようとするので、上記のように倍音の間でどれをとるか迷わなくなります。解除するにはそのボッチをもう一回タッチ(白色にもどる)。特に上下の極端な音をとりたい場合などに有効です

楽器は在庫があれば全て試奏可能です。まずはお気軽にお問い合わせください。

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