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TORO社訪問記-3 サッレ村と弦作りの歴史

2008/03/25

●サッレの村
このあたりには3千年ぐらい昔から羊飼いが住んでいました。当然、羊を使った皮革、羊毛などの産業も興ってきたことでしょう
サッレの村のガット弦つくりは16世紀にさかのぼります
19世紀には多くの家族がナポリやローマに移住してガット弦を作り続けます
その中から国外に移住して、今でも弦のメーカーとして知られるブランドがいくつもでてきています。世界中の弦メーカーの多くがこの小さな村に起源を持っているといえます

●TORO社の創業
先代のラッファエレ・トロさんが、ナポリで徒弟奉公として技術を習得し、その後故郷のサッレに戻って会社を興しました。徒弟奉公時代には気候の温暖な春から夏にかけてはサッレの村にもどって林業や牧畜をし、厳しい秋から冬にかけてはナポリで弦作りをしていたといいます
そのころは需要の多い手術用縫合糸やラケット用ガットも作りましたが、楽器用弦は本業としてしっかりと守り続け、その後多くの家族が縫合糸、ラケットガットの需要が減るにつれて廃業していった中で、ただ一社伝統を守り続けてきました

●現代のTORO社
1980年にピエトロさんが経営を引き継ぎ、弟のベニアミーノさんともども伝統を守りながら高品質のガット弦を作り続けて今に至っています。ご兄弟がイタリア語しか話さないこともあり、また「マーケティング」という発想をもたなかったこともあって「TORO」のブランドではこれまでほとんど知られていませんでした。フランスとベルギーで、この弦の優秀さを認めたディストリビューターがあって、イタリア国外ではその二ヶ国で別ブランドで売られてきていただけでした
ヨーロッパの中で、個人のお客様からご注文を受けることもあったようなのですが、言葉の不自由さとイタリア国外の音楽事情がわからないこともあって、世界のトップレベルの演奏家からの注文であっても、TORO社としては事情がわからずに普通に応対してきたようです
今回、ご縁があって日本でご紹介することになり、TORO社としても少しずつ自覚がでてきたようです。「英語も勉強しなければ」というウン十の手習い(笑)もはじめるそうです。ぜひ、日本の皆様に応援してほしいとのことですので、よろしくお願いいたします

次の記事へ⇒「TORO社訪問記-4 弦作りの基本姿勢と工程」へ

楽器は在庫があれば全て試奏可能です。まずはお気軽にお問い合わせください。

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