K子のクラビコード奮闘記 その3 〜クラビコードは本当に生き物 そして奮闘は続く
(※前回、クラビコードを背負って持ち帰らせていただきましたが、10kgはやはり重かったです。。ぎりぎり背負えますが、小柄な方は送っていただくことをおすすめします。)
案の定、帰宅してみると調律は少しずれてしまいました(電車の振動で緩んだのでしょうか、全体的に低めにずれました)。
ただその日はこちらのテンションが上がりっぱなしで、ずれも気にせずに弾き放題の一日でした。
本当の奮闘は次の日から始まります・・・
調律したつもりが、うまくできていない
持ち帰った際に全体的にずれてしまったので、再び一音一音、CLEARTUNEを使いながら調律していきます。
(ペンチを使ったのはひとつだけで、あとは全てペグの調整でいけました)
ところが、全ての音を終えて、さあ弾くぞ!と曲を弾き始めた途端・・・
「なんだか音がキモチワルイ・・・」
どうやら、単音だと問題ないように感じても実際は少しずつずれていたようです。
特に高音部と低音部(CLEARTUNEでも音の拾いにくい音域)に変な音が多かったため、アプリで音を確認するだけでなく、実際にオクターブや和音を弾いたり、曲のフレーズを弾いて確認しながら調律することでなんとか解決しました。
ちなみに、初級・中級・上級者別の調律方法を教えていただきました♪
●調律の上級(本来):基準音を一音(AまたはC)。音叉などで合わせて、そこから「うなりの回数/秒」を聴きながら5度圏でとっていきます。どの音の間がうなり何回か、というのが古典調律のそれぞれの特徴になっていく。そうやって基準オクターブ(真ん中の1オクターブ分)をあわせてから上下に耳で合わせていくそうです。
●調律の中級:基準オクターブはチューナーであわせて、そこから上下は耳でオクターブをあわせる。
●調律の初級:基準オクターブだけでなく、上下もチューナーを頼る。ただし、この場合でも耳で聞きながらは鉄則。チューナーが頼りにならないところはやはり工夫をしながらオクターブやチューナーの音を出してあわせる作業になるそうです。
押し込んだまま戻らない鍵盤
次に苦労したのが、下がりっぱなしの鍵盤(押し込んでも戻らない鍵盤)が出たことです。
自宅に移してから数日後に、数本立て続けに起きてしまいました。
(※写真は再現図です。横から見るとこのようにガタつきが見られます)
最初は鍵盤が隣と当たっているのかと紙やすりを買ってきたのですが、それでも治らず、本当に焦りました(※)。
これは結局、鍵盤裏の穴(バランスピン部分)がキツくなってしまったことが原因でした。
試しにひとつ、穴を調整してみて解決した時は、頭のなかでファンファーレでした!(ちなみに、ドライバーでなくても竹ひごでも代用出来ました)
同時に、加湿器を入れているとはいえ自宅も乾燥しているんだなと痛感し、加湿器を近くに配置し直すなど、気を使うようになりました。
※鍵盤の動きが悪い時、本来まず疑うべきはバランスピン部分、その次が一番奥のスリットの部分(鍵盤の一番奥についているへら状のものが上下する溝)でこすれていないか、最後に隣の鍵盤との摩擦、だそうです(順番が逆だった^^;)。実際、私の場合もバランスピンの調整でほぼ全て解決しました。
また、動きが悪いと言っても乾燥や湿気による一時的なものかもしれないので、むやみに穴を拡げたりやすりで削るとかえってガタが出る危険があるそうです(゚д゚lll) バランスピン部分は穴の壁をドライバーの軸などで強く押さえるようにして、紙やすりを使う場合も磨く程度で、あくまでスムーズにしてやるレベルで、とのことです。
最初のうちはほぼ毎日調律
落ち着くまでに2週間ほどかかると聞いてましたが本当にその通りで、最初のうちはほぼ毎日、弾くたびにおや?となって調律、の連続でした。
(そもそも調律に四苦八苦していたのもありますが^^;)
特に低音部1オクターブ程と最高音部の2つの鍵盤が音の変化が激しく、毎回微調整をしていました。
ちょうど購入して20日ほどになりますが、ようやく落ち着いて、音が安定してきた気がします。
(一方、毎日調律していたおかげでそちら方面はだいぶ慣れました。笑)
クラビコードは本当に生き物
自分が今まで弾いたことのあるピアノとも、もちろん電子ピアノとも全く違っていて、クラビコードは毎日のコンディションで音が変化して、そこがまた面白いです。
特に、雨の日は音程が変化するだけでなく、音色も霞がかったような、少しやわらかい音になります。
四苦八苦しつつではありますが、気づけば毎日弾いていて、癒やされています。
現在進行形の奮闘記ですが、またレポート材料が出たら(弦を切ったらなど、苦笑)、レポートを上げたいと思います。
長編をお読みくださってありがとうございましたm(_ _)m!
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文責 伊藤慶子
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