マルコ・テルノヴェック工房(ブリュッセル)訪問
ベルギーのブリュッセル郊外にあるヴィオラ・ダ・ガンバ製作家、マルコ・テルノヴェックさんを訪問してきました。
ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者の奥様(日本人)ともども歓待してくださり、夜のふけるのも忘れて夜中すぎまでお邪魔してしまい恐縮。「普段はこんなにないんだけど」と言いながら以前に作った楽器も含めて何本も見せていただき、モデルによる音の違いなども実感できました。
最初に見せてくださったのはコリション1687.ミラノにあるオリジナルがモデルだそうですが、7弦としては一番小さい部類とのこと。テルノヴェックさんはオリジナルの楽器を研究してできるだけもとの楽器に忠実に作ることがポリシーですが、このモデルはフォルクレの図版にあるローズをつけたということです。トップは3ピースのベントトップ(オリジナルは5ピース)。
次はやはりコリションですが1693年に作られたもののコピー。これはオリジナルどうり5ピースのベントトップ。
これはシェロン(やはりフレンチです)1700年モデル。5ピーストップ。上の二本とは塗装が違います。
マルコさんのお話では、コリションはフレンチだけれども胴型はイングリッシュタイプ。このシェロンは典型的なフレンチ。楽器の下半分の部分が少し大きめなので、小柄な方には弾きにくいかもしれないと言っていましたが僕には違和感はまったくありませんでした。
次ぎはルネッサンスモデルです。この後のリローネもそうですが、初期のヴィオラ・ダ・ガンバはサウンドポスト(魂柱)がなかったので後代のものに比べると音が細め(言葉では表現難しいですが)で、僕には倍音が多いように聞こえました。こういう音もいいなぁ。唄の伴奏などにもよく使われたのでしょうか。ヴィオラ・バスタルダとも呼ばれたカテゴリーのようです。初期ルネッサンスの音楽を楽しむにはこういうタイプの楽器も一本ほしいなぁ(趣味に走りそう・(^^;;) 弓も初期のタイプで。
この後の2本はリローネの大と小。弦の数も多く、通常のヴィオラ・ダ・ガンバ以上に和音楽器の特徴が強いように思います。
最後はソプラノ・ヴィオール(または調律の違いでパルデッサス・ヴィオール)。この楽器にたどりついたころはもう夜の11時すぎ。残念ながら音を聴かせていただくのは見合わせました。右は遅い夜食時、マルコさんと奥様。本当に遅くまで、ご歓待ありがとうございました。
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