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ヴィオール製作-1 表板(トップ)削り出し

2006/08/04

このシリーズでは、前の二つの記事(古楽器製作サマースクール)を受けて、その中でヴィオラ・ダ・ガンバ作りに挑戦した様子をご報告します。なにしろ、木工作業など昔学校で本立てを作ったぐらいですからなにしろ要領が悪い。それがノミ、鉋、ヤスリ、ナイフ、鋸などを駆使して、朝9時から夜10、11時まで作業するわけですからその辛苦、推して知るべし!最初の1週間は手のひら、指、手首、肘、腕、肩、背中、腰とすべてが固まったようになってしまい、翌朝ノミが握れるかどうか心配しましたが、なんとか握れてしまうものですね。

【表板削り出し】
さて、作業は一枚の板から表板を削り出していくところから始まりました。細長い台形のスプルース材を縦二つに割って横に剥ぎ合わせた、いわゆるブックマッチの素材が準備してあり、別に用意されていた側板の形を鉛筆で写し取り。その形に糸鋸できりとります。ここにあった糸鋸は高性能の機械だけど、どうも苦手。意図する方向に進んでくれないんだもの (^^;; 


それをノミでだいたいの形に削り、さらに紙ヤスリで細かく仕上げます。
表側が終わったら、ひっくり返して裏側を彫り取ります。表板のカーブにあわせて、中心と周辺部を除いたところは2.8mm厚が目標。厚みゲージを使って何点か場所を決めて測りながら削りとっていきますが、なかなか目標の厚さにならない。削りすぎると突き抜けてしまうので慎重に。下の4枚目の写真は薄くなった表板を裏側からライトをあててみたところです。ライトは白色光なんですが、透かすとオレンジ色できれい。


【パーフリング】 あまりなじみのない言葉かも知れませんね。バイオリンなどで、表板の縁の数ミリ内側に線があるでしょう?あれはいわば象嵌のように、木を彫りこんで、別の種類の木を埋めてあるんですね。
専用の当て具をつけたドリルで表板の縁から等距離、同じ幅の溝を彫ります。そこに、事前に熱を加えて曲げておいた細い木をはめ込んでいきます。接着剤を流し込んでしっかりと打ち込んだら、縁にそってノミで仕上げます。少し丸い溝ができる感じに彫りこむと仕上がり時に周辺部が良い感じに。(ぼくはここで彫りこみすぎたのか、あとで仕上げのときに削りすぎたのか、一部でパーフリングが消えてしまいました・ (T_T)


楽器は在庫があれば全て試奏可能です。まずはお気軽にお問い合わせください。

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