古楽器輸入販売・ムジカアンティカ湘南|チェンバロ、クラビコード、TOROガット弦、バロック弦楽器、バロック弓、19世紀ギター、バロックトランペットなど各種取扱

ガット弦原材料の価格動向newblue.gif

2014/12/06

sheep.jpg ここのところ為替円安傾向が強まり、TOROガット弦の価格をどうするか悩ましいところです
メーカー側の値上げなども大きく影響するので、原材料(羊腸など)の価格動向にも神経をつかいます。そのデータがないかと調べていて、国会図書館の資料から「天然羊腸の市場動向と今後の需給を聞く」というインタビュー記事を見つけました
なにしろ「天然羊腸の市場」というものがはっきりと存在している(輸出入統計もある)というのが驚きです(ガット弦しか頭にない朴念仁としては)。上記の記事は「ミート・ジャーナル」という食肉市場の業界誌で、羊腸輸入の最大手、(株)松永商会代表取締役の松永吉郎さんに2011年8月にインタビューをされた内容です
ここでいう「天然羊腸」はソーセージを作るときの外皮(ケーシング)として認知されているものです
ミート・ジャーナル誌、松永吉郎さんそれぞれのご了解をいただいた上で、内容抜粋してご報告します
ご快諾いただいたミート・ジャーナル誌、松永様に謝意を表します


●ソーセージ消費量は漸増。欧米のソーセージ需要増。特に中国、ロシア、ブラジルなどBRICs、ルーマニア、ポーランドなど東欧圏でも急激な伸び
●需要に季節要因がなくなりコンスタントに強く広範囲に及ぶ
●日本国内では天然腸から人工ケーシング(コラーゲン)にシフトする動きもある
●価格は2009年後半~2010年8月までで原材料レベルで80%ぐらいの値上がり
●日本の購買力は(2010年8月時点で)円高にもかかわらず弱い。理由①要求する基準仕様(長さ)が欧米は2m以上、日本は5m以上と厳しい。②検疫検査、処理の要求が厳しく間接コストを上昇させている
●今後の需要はグローバルに増え続ける予想。相場のピークは近いと期待

上記のインタビュー時点以降、2014年までに需要はさらに拡大し需給関係が逼迫している(羊腸の国際価格は上がり続けている)ことは確かではないかと思われます。 松永様から、記事掲載了解のメールで下記の追加コメントもいただきました
転載了承だけでなく丁寧な追加コメントまでいただき大変ありがたく、ここにあらためて謝意を表します

(以下、松永様からの補足コメント)
この数年、羊腸の市場動向はかなり上下しておりますことをご承知されていたほうがよろしいかと考えます。貴方が羊腸の国際的な需給、価格に関心がおありの様子ですので;
①羊腸の供給量はevenないし漸減の傾向にあり、短期間(2/3年)での急な供給量
増加は望めない
  この5年来New Zealand/Australiaのsheep/lambの保有量が減っている。世界一 位中国の保有量はほとんど変わらない
②ソーセージの消費量は漸増している。従って羊腸その他sausage casingsの需要は 強い
③比較的安価な可食性人工ケーシング(コラーゲン)へのシフトがかなり進んでおり、天然腸価格上昇は頭打ちになっている
④現時点での相場としては
NZ lamb runner(一頭分の小腸)屠場価格 aboutUS$.7.00
Australia sheep runner 5.00
China sheep runner 中国元 25.00/35.00
 羊腸の長さは20m/30m、品種、体格によって異なる
こころみに日本のウィンナーソーセージの消費量は25万トン(年)、使用されている 天然羊腸は800万hannkx90m(羊3,500万頭), コラーゲンは5億メーターぐらいです

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