古楽器輸入販売・ムジカアンティカ湘南|チェンバロ、クラビコード、TOROガット弦、バロック弦楽器、バロック弓、19世紀ギター、バロックトランペットなど各種取扱

ミケーレ・ベヌッツィさんインタビュー

2014/07/12

今回の講習会に合わせ、ミケーレさんに突撃インタビューいたしました。

プロチェンバリストとして活躍されるミケーレさんが、どのようにしてチェンバリストになったか、現在の興味はなにか、等とても興味深いお話を伺うことができました!


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ミケーレ・ベヌッツィさんインタビュー

-素晴らしいワークショップをありがとうございました。今回で、ムジカアンティカ湘南での3回目の講習会になりますが、ミケーレさんはほかの国でもレッスンをしていますか?

はい、韓国や香港、シンガポール、そして日本など、アジアの各地でレッスンをしています。

 

-日本人にレッスンをすることは難しくはないですか?

簡単に内容を理解する人もいますし、そうではない人もいます。
ただそれは、国による違いというよりも感受性(sensibility)の問題だと思います。
ヨーロッパ人でもうまく内容を理解できない人もいます。(ヨーロッパと日本では)確かに文化の違いはあるけれど、それで自動的に理解できるわけではありません。

もうひとつ言うと、ヨーロッパ自体、そもそもいろんな文化が混ざり合っている(mixture of culture)のです。
ヨーロッパの南と北でも文化がかなり違います。
日本の文化も、アジアの一部だからといってアジアの文化とひとくくりにはできませんよね。
(ヨーロッパといってもその中では文化に様々な差異があり、同じヨーロッパの音楽だからといってすぐさま理解できるわけではない、という意味だと思われます。)

また、そもそも私達は16世紀などの昔の音楽に向かい合うわけで、16世紀はやはり遠い昔のことです。演奏の仕方も今と違っていました。その遠い音楽に向かい合うという立場は国によらず同じです。

大切なことは、音楽に対する感覚(feeling)です。

 

-ミケーレさんはどうしてチェンバリストになったのですか?

両親が音楽好きで、家にバッハなどの録音テープがたくさんありました。そこで使われていたのはモダンハープシコードで、楽器は良くなかったのですがその音楽を素晴らしいと感じました(7〜8才の時だそうです)。
それで、ハープシコードを習い始めました(8〜9才の頃だそうです)。
その後12才で、先生がハープシコードを売ることになったためその楽器を家で購入し、そこからより一生懸命ハープシコードを勉強するようになりました。
ピアノは先生の家にあったのを触る程度で、習ったことはないです。

 

-今はどんなことに興味がありますか?

18世紀後期の音楽です。
この時代、楽器にはより大きな音を出し、ダイナミクスを付けるため様々な改良が加えられました。
それに対して、一般にハープシコードは音の強弱がつけられず、ダイナミクスが少ないと思われていますが、ハープシコードの表現力はボリュームだけにあるのではなく、ボリュームはハープシコードの持ついろんな要素のひとつに過ぎません。
実際、ハープシコードはとても表現力に富む楽器です。
それを当時の音楽の表現を通じて探究したいと考えています。

(ミケーレさんはハープシコードの研究に力を注いでいらっしゃり、レコーディングの一つがイタリアの雑誌「ムジカ」で五つ星の賞を獲得しています。)

また、今言ったことは自分の興味の一部に過ぎず、16世紀のイギリス音楽にも興味がありますし、スカルラッティもずっと研究したいと思っています。

 

-現代の音楽は聴きませんか。

聴きません。
バロックの音楽もとても幅広く、時代で言えば15〜18世紀にわたり、地域によっても、例えばフランス、イギリス、イタリアでも音楽が異なります。
それに、現代音楽は騒がしい(make noise)です。

 

-ありがとうございます、最後に、ミケーレさんの趣味について教えてください。

たくさんありますよ。
まず読書が好きで、他のことを全て投げ出して一日中読書していたいと思うこともあります。
一般的な意味での芸術や、映画鑑賞、旅行も好きです。
のみの市めぐりも好きで、古いグラスを手に入れたりします。
最近ではアンティーク家具屋さんで本物のアンティークの、12人がけの大きなテーブルを買いました。
塩を集めるのも好きで、40種類以上のコレクションがあります。
料理をつくることも好きです。

 

fin

 

楽しんでいただけましたでしょうか。

ミケーレさんには長丁場のワークショップの中お疲れのところ押しかけてしまいましたが、快く応じてくださいました。改めて御礼申し上げます。

また通訳助っ人に入ってくださった野村代表にも、この場を借りて御礼申し上げます。

また11月にミケーレさんをお招きしてワークショップを開催する予定です!
聞いてみたいことがある方はお気軽にご質問をお寄せ下さい♪

文責 伊藤

楽器は在庫があれば全て試奏可能です。まずはお気軽にお問い合わせください。

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