ガット弦の計算尺
2011/08/13
弦楽器にとって、その楽器にマッチした弦を選ぶことは必須の作業になります
特に表現力に富むガット弦にとっては、モダンなスチールやナイロン弦以上に楽器にあった太さを選ぶことが大事で、難しい作業ですがぴったり合ったときほど楽器が唄ってくれる喜びはありません
実際に弦を楽器に張って試してみるのが一番ですが、テンションを数字として見たときにどうなっているかという解析や探求には弦のテンション計算が必要になります
【キュルシュナー社の計算尺】
この弦を選ぶ際に目安になる、テンションと弦の太さを計算する計算尺をご紹介します
ドイツのガット弦メーカー「キュルシュナー」Kuerschner*社のものです。本体に2本のスライド尺がつけてあり、それを動かすことによっていろいろな計算値を求めます
この計算尺には下記の用途があります
A.基準ピッチ、有効弦長、必要なテンションの3要素から弦の必要な太さを計算する
B.弦の太さ、音名、基準ピッチ、有効弦長から弦のテンションを計算する
C.基準ピッチ、有効弦長、音高から適切な弦のタイプ(素材)を判別する
D.有効弦長と楽器のタイプから、各弦にほしいテンションを計算する
弦計算尺の
使い方.pdf
キュルシュナー社のホームページからもお求めいただけますが、弊社でも限定数量仕入れましたので、どうぞお買い求めください
(*キュルシュナー社の綴りはもともとUウムラウトでしょうが、本家のHPでもueに置き換えてあるのでそのまま記載しました)
【弦のテンションを決める要素について】
弦の太さは、楽器の弦長、基準ピッチ、各弦の音高の3要素とのバランス(もちろん弦の素材がなにかという大前提はありますが)でその弦のテンションを決めます。また、このテンションを、高音弦から低音弦にかけてどういうバランスでセットするか。大きく分けると傾斜テンションのやり方と、イコールテンションのやり方があります
こういった要素を組み合わせて計算するソフトはインターネット上にもいくつか存在しますから、それを参照して活用する方法もあります。ただ、ほとんどが英語版のページですし、それぞれに長所、短所がありますから慣れないとわかりにくいかもしれません。一般にリュート用のものなど特定の楽器に特化したページが多く、下記のような汎用ページは少ないように思います
【インターネット上のテンション計算ソフトのご紹介】
Arto's String Tension Calculator
これはヘルシンキ大学のコンピューター関連の助教授、Arto Wikla さんが作ったものです。私もこれまで活用させていただいています。使用のコツは、最初にこのページの下のほうにある弦の素材選択でガットならガットにチェックを入れておいて、そのすぐしたにあるBack to calculator で戻ってからその他の要素(ピッチ、弦長、音高など)を入れるという手順です
他の計算ソフトが特定の楽器(リュートやギターなど)を想定して作られていることが多いのですが、このアルトさんのプログラムは汎用なので使いやすいように思いました
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