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【本】"A"の話: 演奏ピッチの歴史new-small-icon.gif

2011/01/02

これは英語の本です。内容も専門的になるので学校の図書館などに置いていただく類の本かもしれません。しかし、歴史的パフォーマンス(ピリオド演奏)をお考えの方にとって「どのピッチで演奏するのか」ということについてしっかりした理論的な裏付けを与えてくれるという意味で、またとないお奨めの本なのであえてご紹介します
はい、ご存じの方にはお察しいただけるように、弊社の企画制作した各種ピッチの音叉と、それに連動した形でまとめた「チューニングピッチの変遷」という小文は、この本にかなり依存しています

内容は、近代以前、ルネッサンス、バロック、古典派などの各年代と各地域やパフォーマンスの内容(教会か、世俗か、アンサンブルかなど)について実際に使われたであろう演奏ピッチについて、特にその時代に使われた楽器をもとに考証しています。数百年経った古い楽器の場合も、その素材の経年変化まで配慮して考証してありますので、おそらく今入手出来る中では最も信頼に足る資料ではないかと思います。全体を通読するのはかなり大変だと思いますし、普通はその必要もないでしょう。特定の作曲家の曲を演奏したい場合に、それに該当する時代と地域をこの本で検索して、その時に使われたであろう演奏ピッチを特定する、という使い方が考えられると思います。

●タイトル:A History of Performing Pitch: The Story of "A"
● 著者: Bruce Haynes
● ハードカバー: 632ページ
● 出版社: Scarecrow Pr; illustrated edition版 (2002/10)
● ISBN-13: 978-0810841857
● 出版日: 2002/10
● 価格: 10,092円(2011年1月現在)

余談:この本を和訳出版できたら、日本で真剣に歴史的な演奏に携わる方達にとって大きなお手伝いになるのではないかと思って、著者に何度かコンタクトをしようとしました。本の中に記載してあるメールアドレスやフェースブック、さらには私の旧知のアメリカの音楽関係の友人などもたどったのですが、残念ながら接触ができていません。もうかなりお歳かもしれないので、アクティブな活動はなさっていないのでしょうか




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